参加者のノートから

書く冒険への誘い

参加者のノートから

言葉と私008

前ページ「言葉もあなたの内面を作る」に示したエクササイズ1-3~1-6を実際におこなった、ヒーリング・ライティングの参加者のノートから、文章を掲載します。書かれたそのままを掲載するので、なかには途中で切れているものもあります。時間の関係でエクササイズを省略したものもあります。点線でくくられた文章は同じかたが書いています。

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エクササイズ1-3

 広い砂漠。人がひとりもいないありえない世界。私はひとりでなすすべもなく立っている。これは生命の本当の居場所なのか? なにひとつ心の依り所になるものもなく、聞こえる言葉もない。光と波の音だけ。宇宙色の空とわた雲がいくつかあるだけ。時おり思い出したように風が吹く。

エクササイズ1-4

 自分は心の置き場を探しているようだ。しかし、自分が生きていく上において自分の心を安定させる場所を探そうとすることの無意味さを知っている。しかしその知っている心がその場所は必ずどこかに在るのだということを訴えかけてもいる。安住する場所と安住できない場所との行きつ戻りつを繰り返す……。波のうなりのように生きている間くり返すことこそが生きるということの本質であることを心のどこかからかすかに聞こえる声が教えてくれている。それはゆるぎない確信に満ちた威厳のある声だ。全てをゆだねられるような、まよい

エクササイズ1-6

 自分がクリアすること。迷いを捨てる。良いと思われようとすることを捨ててみる。つくろわない。裸になること。空を飛んでみること。カベを通り抜けてみること。犬やネコと本気で会話してみること。自分と他人を同時にほめてみること。人を感動させようと思わないこと。良くないねと言われても心をゆすらなくてもいいんだと自分に言える気持ち。バクハツしそうな思いのたけだけを自由に文字に変えてみること。人から外れることをいとわないこと。キセイガイネンをゴミバコに入れてフタをしめてやること。笑いをふりまくこと。

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エクササイズ1-3

白い砂浜がそう広くないビーチ

…色の楽ちんなぱふぱふのワンピース

素足に

エクササイズ1-4

独りでいるのにちっとも淋しくない

風が吹いているのに髪が乱れてもかまわない

独りになるのがこわかったのに ちっともこわくなんかない。風はもしろ気持ちがいいくらい

独りでいることは望ましくはないけど

いやなことじゃない

心の中にも風はふく 気まぐれな風

あたたかい風 これからどこに歩いていこう?

すぐに決めなくてもいい のんびり考えよう

どうしてもというのなら ここにいよう

どうしてもなんてこと ひとつもないはずなのに

なぜ「どうしても」なんて感じてしまうのだろう

どこに行くなんて

エクササイズ1-5

もっと自然にいられる 私は力を持ちすぎている

なにもかも思いきり投げようとしている

この風景は ほんとうは私のいるべき場所

もっと強くなれる それは激しい強さではなく

とても静かな強さ

私は白い 私は生成のワンピース

どんな色にもなれる ニュートラルな女

もっと自分を好きになれる

そおっと立っていたい ふんばるのではなく

そおっと立っていたい ふみしめるのではなく

風を感じたい ほんの少しの風

エクササイズ1-6

やさしくなること もっと温かさを感じること

泣きたいときはがまんしないこと

切なさはとりあえずおいておくこと

力を抜くこと 信じること 意地を張らないこと

文を書くなんて思わないこと 迷わないこと

自分を信じること

信じられないなんて思わないこと

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エクササイズ1-3

 白い壁と、グレーのじゅうたん、薄い色のブラインドに囲まれた部屋

 引っ越しはしたくない。私はあの部屋で暮らすことになるのだろうか。白い部屋、カーペット、不自然な感じ。あの部屋に私は似合わない。木の温もりに囲まれた部屋で暮らしたい。あの部屋が気に入らないから、あの家が何となく好きになれないから私は帰りたくないのだろうか? それは言い訳なのではないか。帰りたくないのは別に理由があるのではないか。

エクササイズ1-4

 今は、どこにいても、何をやっていても、心は「父と一緒に暮らすべきかどうか。やっぱり暮らすべきなんだろうなあ。でも本当の自分の気持ちはどうなのだろう。私は父と一緒に暮らしたいのだろうか」という所に戻ってしまう。そして中途半ぱにそのことを持ち歩いている。

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エクササイズ1-3

 ふでばこえんぴつ机の上のけしごむととけいのーとシャープペンシル太陽砂浜白いヨットうきわ子供空へりこぷたー入道雲水平線

エクササイズ1-4

 文章を書くのってたいへんそう。目の前にある情景ってわからない。美しい海、あたたかい風、つめたい水、泳ぎたい。

エクササイズ1-5

 現実と瞑想がいっしょになっている。あまり書いていない。文章を書くには壁がある。情景を書くのにこ有名詞を並べることしかできない。また作文を書けなかった学生時代にもどった気がした。現実とめい想の情景、どちらを書けばいいのか分からなくて思考が止まっていた。ほとんど止まっていた。

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エクササイズ1-3

波がよせている、

陽がふりそそいでいる、

海辺の私はとても力強く、そしてやさしい

風を受けながら、鳥のように自由になる、

机という固い置き物も、

私をやわらかく受けとめている

私の中には満ちては引くこどうがある

彼と遊んだ砂浜、

白い貝を並べた浜

長い松林、青白く光る月、

一人風をうけて立ちつくした海、

沢山の海の姿が私の中に息づいている、

エクササイズ1-4

四角い教室にこじんまりとすわる私、

海辺から引き戻された私はとてもさびしい

今日は一日 畑で花をつんだ

ラベンダーをたばねた、

土のぬくもり、鳥の声、花々のほのかな香り、

そこからずい分別のところへ来てしまったと感じる

自分の居場所が定まらなくて、

私はいつも自然の中へ帰ろうと願っている、

それなのに一人でいることがまださびしい

そして机に向っている、

何とか自分の中にあるものをつかみたくて、

何とか私のまん中にふれたくて、

私はとても無口だ

それ故都会の中にいるとよけい小さく

閉じてしまう、

内にたくさんの

エクササイズ1-5

海辺にいる安心感から遠く離れた私はとてもさびしく見える、

一人、都会をうつろに漂っているようで

沢山の言葉や思いが私の中にたまっているのだ、

言葉として離すことが苦手な分、

何か書くことによって 自分の思いを吐き出そうとしているようだ、

それは誰か他の人に理解してもらおうと求めてやまぬ子供のようにさえ思える、

何故 それほどまでして この街にいるのだろう

何故 好きな人の住む街にとびこまないのだろう、

私は怖れているのだ

自然に満ちた大好きな場所、大好きな人のそばで孤独になりはしないかと

怖れているのだ、

それだから必死に一人この都会で

生き永らえようとしている、

本当に安心できる場所へ行けばいい

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以上『ヒーリング・ライティング』(VOICE刊) より 引用

 ノートに記されたままにしてあります。

 これらはすべて文章のデッサンで書かれたものです。

ヒーリング・ライティングは正しい書き方を教える講座ではないので、ご本人が書いたそのままを掲載しています。手書きで書く際には多少の間違いが含まれるものです。その間違いを気にしていると、書くべきことを忘れていきます。すらすら書けるようになり、間違いを減らしたい方は、そのように注意していくことで、次第に誤字を減らしていくことができます。

まずは気兼ねなく、自由に書きたいことが書けるようになる訓練をしましょう。書いた文章をあとで清書するときに誤字や文法の間違いなどを正せばいいのです。これを繰り返すことで、次第に間違いが減っていきます。

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