言葉もあなたの内面を作る

書く冒険への誘い

言葉もあなたの内面を作る

文章は、他人に読まれないのであれば、何を書いても問題ありません。他人に読まれないのなら、ただ独り言を言うのと同じです。しかし、その独り言は、書いたことを消さない限り残ります。残っている文章をもし何度も読むと、その内容を反芻することになるので、その人はその文章に影響されるでしょう。書かれた内容に影響されたいのであれば、何度も読めばいいし、影響されたくないのであれば、書いた内容を消しましょう。何度も反復される概念はいつしか感情を作り、それに影響されるようになっていきます。それがいいことか悪いことかは一概には言えません。いいときもあるけれど、悪いときもあるでしょう。だから、文章に残しておくことは、「自分にとっていいこと」がいいですね。悪い影響があることを書き、それを繰り返し読んでいると、きっと悪い影響が表れて来るでしょう。しかし、このことも一概には言えないので注意が必要です。どのように注意が必要かはおいおい書いていくつもりです。たとえ影響されるのがいやな内容でも、それを保存しておくと、あとでそのおかげでいいことが生まれることもあるのです。

たとえば「貧乏にはなりたくない」と書いたとしましょう。するとその人はその文章を読むことで「貧乏」な状態をイメージします。すると貧乏なイメージが生まれますから、その瞬間に心は貧乏になっています。「貧乏になりたくない」と否定しているから、その否定が残るのではないかと思うかもしれませんけど、否定はイメージを生みにくいものです。貧乏なイメージが生まれ たら、心はそれに影響されるかもしれません。その影響は行動や思考に現れるかもしれません。それでも、その文章を残しておくことで、あとでそれを読んだときに、自分に関しての気づきがやってくることがあります。

口でいくらきれいごとを言っても、あなたの心の中でつぶやかれる内語が否定的だと、その影響があらわれます。あなたが心の中で思っていることが一番大切です。それがどのようなものかに意識的でいて下さい。もしそれが他人を傷つけるような内容なら、きっとあなたは他人を傷つけるようなことを言ってなくても暗に他人を傷つけることになるでしょう。反対に、あなたが口には出さなくても他人のことを思いやっていれば、出て来る言葉はどんなに汚いものでも、その言葉にまわりの人は癒されたり、安心したりするでしょう。毒蝮三太夫が「くそばばぁ早く死ねよ」などと言いながら人気があるのは、きっとこういうことなのでしょう。

言葉の表面的な意味とそれが含んでいる内容がたとえ異なっていても、会話をしていればたいていそれをキャッチできます。しかし、文章でそれができるかというと状況によります。文章の内容によることもあれば、文章を書いた人に会ったことがあればそれだけでなんとなくニュアンスをつかめることもあります。だから、正しく相手に伝える文章を書くというのは、書くことを通して自分を観察することでもあります。それとともに他人も観察することになります。このような効果を早くたくさん得たいのであれば、書いた文章をたくさんの人に読んでもらうことがいいでしょう。読んでもらってフィードバックをもらえれば、たくさんの気づきが生まれます。このフィードバックはポジティブなフィードバックであれば問題ありませんけど、ネガティブなフィードバックだと受けた人の気持ちが萎えてしまいがちです。だけど、ネガティブなフィードバックの方が気づきが多いものです。自分にとってネガティブなフィードバックを受けたら、いい体験をしたと思って下さい。ただ、あまりにも凹んでしまうようなフィードバックはやる気を削いでしまうので、そのようなフィードバックを受けるときにはその量や程度を、自分が許容できる範囲に制限するように工夫するのがいいでしょう。

ワークショップでこのようなフィードバックを受ける時は、ファシリテーターがその場を調節するといいですね。たとえば、ある人が書いた文章を朗読し、そのフィードバックを受けるとします。まず「いまの文章が素敵だと思った人、フィードバックをして下さい」と聞き、「いまの文章がさらによくなるようにアドバイスをくれる人フィードバックをして下さい」というのです。つまりネガティブなフィードバックを「フィードバックを受ける人のためになるように」というコンテクストにして聞くのです。そして最後に朗読してくれた人がまた朗読したくなるように力づけをするコメントをファシリテーターがするといいですね。

一人でこのようなことをするには、多少の訓練が必要かもしれません。たとえば、何か文章を書いたら、その文章について自分がイメージできる仲の良い誰かを思い出し、その人ならこの文章に対して何をいうかを考えてみるのです。そのようなことを数名に対してやることで、自分の視点以外の視点が次第に持てるようになるでしょう。

エクササイズ3.目の前の風景を文章のデッサンの約束に従って書いて下さい。(書く時間 五分)

エクササイズ4.目の前の風景を見て感じたことをデッサンの約束にしたがい書いて下さい。(五分)

エクササイズ5.エクササイズ1.と2.で書いた文章を読み、感じたことを書いて下さい。もちろん文章のデッサンに基づいて。(五分)

エクササイズ6.いままでの三つのエクササイズをした経験から、自分が文章を上達させるためには何が必要かを書いて下さい。(五分)

文章のデッサンとは、以下の四つの約束に基づいて書くことです。

1.時間を決める。

2.書き出したら一気に書く。途中で考えたり休んだりしない。

3.もし文字を間違えても消しゴムやインク消しで消さず、線を引き、すぐに次を書く。

4.めちゃくちゃでもいい、書くことを楽しむ。

エクササイズ3.~6.は、自分の書いた文章をもとに、さらに自分の思考を深める方法の一つです。人は書くことで自分の考えていることを明確にしていきます。それを重ねていくと、はじめには思いもしなかった考えにたどり着くことがあります。そのような思考方法をあなた自身で工夫することができます。

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