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文章のデッサン

ヒーリング・ライティングでは「文章のデッサン」をすることがあります。デッサンですから、ササッと書くのです。五分とか、十分とか、時間を決めて書いて下さい。そのとき注意する点は以下の四つです。

1.時間を決める。

2.書き出したら一気に書く。途中で考えたり休んだりしない。

3.もし文字を間違えても消しゴムやインク消しで消さず、線を引き、すぐに次を書く。

4.めちゃくちゃでもいい、書くことを楽しむ。

2.の「書き出したら一気に書く。途中で考えたり休んだりしない」は、したことのない人には難しく感じる人もいますけど、これで書き出すとクセになるほど快感です。はじめて書いたときにうまく書けなくても、書けば書くほど慣れてきます。それから、「これで書くと文章がヘタだから嫌」という方は、しばらく我慢して下さい。ヘタな文章に味を感じるようになります。みんながみんな同じような文章を書いていたらつまらないじゃないですか。あなたはあなたの文章を書けばいいのです。クセがいっぱいあるような文章を堂々と書いて、いつかその文章を読んだ人が、「これは○○さんの文章だね」って気づくほど個性的な文章に練り上げていきましょう。そのためにははじめのうちには「ちょっとヘタかも」と思う文章を書きつづけて下さい。「ヘタ」と思う基準はどこにあるのでしょう? その基準はあなたの内面にしかないかもしれません。その基準をあえて言語化してみて下さい。その基準はすべての人が思っている基準と同じですか? 文法的に正しくない文章になっている場合でも、あまり気にせず書き続けてみて下さい。次第に直っていくものです。

3.の「もし文字を間違えても消しゴムやインク消しで消さず、線を引き、すぐに次を書く」は、そう決めたら簡単なことです。誰かに読んでもらうような書類をこれで書くと、読む人にとっては迷惑かもしれませんから、それはしないでくださいね。これをするのは、あなたしか読まないようなノートにこのようにして書くのです。どうしてこのようにして書くかというと、文字を消している間に書くべきことを失っていくからです。感覚というものは些細でほのかなものです。心の中にわずかにきざすものです。それはあっという間に消えゆくものです。そういう「ささやか」「わずか」「ほのか」なものを大切にして下さい。

4.めちゃくちゃでもいいから楽しんで下さい。楽しんだ状態で書く文章と、そうでない文章では、書かれる内容もリズムも変わってきます。淡々と書くのももちろんいいのですが、少し楽しい感覚に傾いて書いてみて下さい。楽しいと続けることができます。「楽しくないと続けられないのか」とは思わないで下さい。そういう思いは手放す。そう簡単には手放せない人もいるかもしれません。そういう方は「楽しいつもり」で書くといいかもしれません。気持ちの切り替えについては、ヒーリング・ライティングを続けていくうちに、いろんな気づきが生まれてくるでしょう。その気づきをぜひ文章にしてみてください。その文章がいつかそのコツを忘れてしまったあなたを力づけてくれるようになります。

気持ちの切り替えについてこんな寓話があります。

ある和尚さんのところに弟子がやってきました。

「和尚、わたしは悟りたいです。どうしたら悟れますか?」

和尚は答えた。

「お前はな、サルの尻が赤いことを忘れたら悟れるよ」

弟子はそれから毎日のように「サルの尻が赤いことを忘れる」とつぶやきました。

境内を掃除しては「サルの尻が赤いことを忘れる」、廊下をぞうきんがけをしては「サルの尻が赤いことを忘れる」、お経を上げると「サルの尻が赤いことを忘れる」、食事の最中に「サルの尻が赤いことを忘れる」。

彼は一生悟ることができませんでした。

この寓話で弟子が陥る状態をこのサイトでは「サルの赤い尻状態」と呼ぶことにします。覚えておいて下さい。

あなたはこの寓話を読んで何を思いましたか? それについて文章を書いてみて下さい。あなたが書く時間を決めて、文章のデッサンで書いて下さい。「何も思わない」という人は「何も思わないわたし」について書いてみて下さい。

あなたの世界は、いまあなたが感じている世界です。あなたが楽しんでいれば、世界は楽しいものになります。あなたが悲しんでいれば、世界は悲しいものになります。もしあなたの世界を思うようにしたいなら、あなたはどうしますか? こういう話が書かれた本はいまたくさんあります。当たり前な話になりました。だけど、あなたがその状態でいるかどうかは別の話です。

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