物語を書く Step5 映画は最初の30分でどのような物語かがわかる
こんにちは、つなぶちです。
テレビで放映される映画はたいてい、放映開始30分後あたりで一度CMが入ります。そこが映画の発端の切れ目になることが多いからです。最初の30分でたいていの映画は内容かがつかめるようになっています。もし30分見ても何のための映画だかわからないような作品は面白くないでしょう。だから、最初の30分でこの映画の内容がわかるようにいろんなヒントをちりばめるのです。
最近日本でも訳書「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと」を出版したシド・フィールドは、映画会社に勤務していたときに2000本ものシナリオを読んだといいます。そのうち映画にするために選んだ作品が40作、実際に映画になったのが37作だそうです。そのなかには『風とライオン』『タクシー・ドライバー』などが含まれています。そのシド・フィールドがいい作品の特徴を『シナリオ入門』にこうまとめています。
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私は、ほとんど最初の10ページで決定を下した。読みつづけるべきか、読みつづけたいか、ストーリーは何か、誰が主人公か、何が劇的前提となるのか、何についてのストーリーなのか。
読者の心をつかむには、最初の10ページがすべてだ。あなたは、この最初の10ページを無駄のない引き締まったものにしなくてはいけない。
(中略)
最初の10ページには次の3つの重要な要素が設定されなければならない。
1.主人公は誰か。つまり、そのストーリーは誰についてのものか。
2.前提は何か。つまり、何についてのストーリーか。
3.状況は何か。つまり、行動を取り巻く状況はどんなものか。
この3つの要素が、最初の10ページで伝えられなければならない。
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端的に言えば、面白い物語は、その物語の根本に関わる事件が動き出したところから書くのがいいということになるでしょう。
ハリウッドの映画は特に、無駄なシーンがほとんどありません。シーンになった場面はあとで必ず何らかの意味を持ちます。だから、最初の30分に一見無意味と思えるシーンがあったら、それは必ずあとに起きてくる何かの伏線になっているでしょう。このようにして物語に登場するあらゆることが、物語のラストシーンを盛り上げるための要素になっているために、観客はその物語に引き込まれていくのです。
しかし、このように単純だと、容易に物語の先が読めてしまうので、最近では「伏線のように思えて伏線になりきれてないもの」をたくさん挿入する物語も現れてきています。その物語を見たいと思うような人なら、きっと興味があるだろうという言葉やシーンをたくさん含ませ、伏線のように思わせて、結局伏線としては使わないでおくのです。それが山のように出てきたのはデイヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス」でした。一般的な映画の長さでは、そのようなことをすると冗漫になるのであまりおこなわれません。映画ではありませんが、村上春樹の最新作「1Q84」でも「伏線のように見えて伏線になりきれてないもの」がたくさんでてきました。
もしヒット作を書くのでないなら(ただし「1Q84」は大変なヒット作だが)、伏線にならない伏線のようなものがいくらあってもいいし、型にはまった物語を書く必要もないでしょう。しかしあなたが物語を書くのであれば、一般的な面白いと思われる作品がどのようにできているかを知っておくのは大切なことです。
高校で物語の書き方を教えていて、学生たちがよく書く書き出しは、「朝起きたときから」か「入学式から」です。いけないわけではありませんが、多くの作品がそうだと読んでいてつらくなります。もっと驚きを持って読み始められる場面から書きだしてもらう方が気が楽です。
もしあなたが書いている物語を誰かに読んで欲しいと思うなら、最初の数ページで読者を引き込むように、どんなアイデアを盛り込むかを考えるといいでしょう。そして、その際にシド・フィールドが指摘した3つの要素を入れることです。
では。

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